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2014年7月17日

ブログ「のほ本♪」の引っ越し

いろいろ考えましたが、今のブログでは不都合が多くなり移転することにしました。
新しいURLは → こちら です<(_ _)>

ゆこりん : 20:26

2014年7月11日

猫のパジャマ(レイ・ブラッドベリ)


カリフォルニア9号線を走っているときに猫を見つけた!ひとりの男とひとりの女が、ほぼ同時にそれぞれの車から降りて猫に駆け寄る。どちらも、猫を先に見つけたのは自分だと譲らない。さて、結末は?表題作「猫のパジャマ」を含む21編を収録。

実にさまざまな話が、さまざまな長さで語られている。
表題作の「猫のパジャマ」は、猫を通して知り合った男と女の心情が鮮やかにそして巧みに描かれている。ラストの言葉がとても印象的で、思わずニヤッとしてしまった。
インディアンの酋長とアメリカ上院議員の賭けの話「酋長万歳」も面白かった。まさか、賭けに負けてアメリカ合衆国を取られてしまうとは・・・。発想がユニークだ。
「島」では、恐怖が増幅されるとどうなるのかということを描いている。おのれ自身で恐怖を巨大化していった先に待っていたものは・・・。ユーモラスでもあり、何とも言えない悲哀も感じた。
どの話も独特の感性で描かれていて興味深かった。中には理解し難い話もあったが、「レイ・ブラッドベリ」という作家を知ることができる貴重な作品だと思う。

ゆこりん : 20:05 | 作者別・・れ

2014年6月30日

55歳からのハローライフ(村上龍)


定年後の夢は、キャンピングカーで妻と一緒に全国を回ることだった。だが、その話を聞いた妻は迷惑そうな顔をした・・・。定年後の夫の悲哀を描いた「キャンピングカー」を含む5編を収録。

「定年後は妻と一緒に何かをしよう。」そう思う男性は多いのではないだろうか。だが、妻の方は何年もかけて自分自身の世界を築いてしまっている。いろいろ考えること、やりたいことがたくさんある。定年退職後に夫がずっと家にいることになっても、自分の生活のパターンを変えたくはないだろう。夫は、妻は自分の計画に賛成してくれると思い込んでいたのだが。妻に難色を示され落ちこんでいるときに、さらに子どもからは「再就職したら。」と言われてしまう・・・。「キャンピングカー」は、現実社会でも似たような話がありそうでとても興味深く読んだ。
「空飛ぶ夢をもう一度」も、よかった。リストラされた男性がホームレスに転落するのではないかとおびえるようになる。だが、かつてクラスメートだった男性と再会し彼の生きざまを目の当たりにしたことで、生きることへの意欲が湧いてくる。上を見ればきりがないが、下を見てもきりがない。大切なのは、守るべき存在をしっかり守り、前を向いて生きることだ。強くそう思った。
そのほかの話もよかった。誰でも何度か迎える人生の転機。そのときに、どう考えいかに行動すべきかは人それぞれだけれど、選択肢の中から自分が選んだものに対し後悔はしてほしくないと思う。
どこにでもありそうな日常の断片を切り取って収めたような話ばかりで、読んでいて共感することも多かった。読後も、ほのぼのとした余韻が残る作品だった。

ゆこりん : 19:53 | 作者別・・むらかみりゅう

2014年6月27日

豆の上で眠る(湊かなえ)


小学3年生の姉万佑子が帰宅途中行方不明になった!必死の捜索にもかかわらず、万佑子は見つからなかった。だが、2年後に万佑子は突然帰って来た。妹の結衣子は、「本当に姉なのか?」と疑問を抱くのだが・・・。

姉が行方不明になったとき、妹の結衣子は小学1年生だった。そのくらいの年になれば、毎日一緒に遊んでいた姉と2年ぶりに会ってもはっきりと分かるのではないだろうか。祖母にしてもそうだ。いつも遊びに来ていた孫と他人の区別はできるのではないだろうか。父母の態度もおかしすぎる。また、行方不明になっていた2年間の動機もあり得ないような気がする。小学3年生だった万佑子がそこまでとっさに考えたなどとは信じられない。ラストも納得できるものではなかった。無理やりつじつまを合わせた・・・そういう感じだ。「姉は本物か?」「結衣子の違和感はどこから来るのか?」そういうことを考えながら途中までは面白く読めたのだが・・・。「設定に無理がある不自然な話」という印象で終わってしまったのはとても残念だった。

ゆこりん : 19:30 | 作者別・・み他

2014年6月18日

カレイドスコープの箱庭(海堂尊)


右肺葉摘出術の患者が術後に亡くなったが、肺癌としたのは誤診ではないかとの疑惑があった。「電子カルテ運用に関わる問題があるのでは?」誤診疑惑の調査に乗り出したのは、電子カルテ導入委員会の委員長である田口医師だった。はたして真相は・・・?

誤診疑惑の調査。そして、AI国際会議の準備。そのふたつで田口医師はてんやわんや・・・。内容は、ミステリーとまでは行かないと思う。けれど、過去のシリーズで活躍した人物がいろいろ登場して、読んでいて面白かった。多少ドタバタの感じではあったが、このシリーズの最後を飾るのにふさわしいように思う。本編はまあまあ面白いかな?といったところだが、巻末の"おまけ"の「海堂尊ワールド」がすごかった!作品相関図、登場人物相関図、登場人物表・・・などなど。ファンなら泣いて喜びそうなものばかりだ。それにしても、海堂尊ワールドは奥が深い。未読の作品もまだ少しあるので、そちらもじっくりと読んでいきたいと思っている。

ゆこりん : 20:00 | 作者別・・かいどうたける