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2014年4月24日

ルーズヴェルト・ゲーム(池井戸潤)


業績不振に陥った青島製作所。ライバル会社の台頭も脅威となって迫ってくる。銀行からの融資を続けてもらうためには、大幅なコスト削減も視野に入れなくてはならない。衰退する一方の野球部にも、存続の危機が訪れた・・・。

会社の売上低迷、ライバル会社との得意先の争奪戦。銀行の融資担当者の表情も渋い。まさに四面楚歌の状態だ。そんな状態の中では、野球部が存続するのは絶対に不可能だろうと思われた。現実の社会でも、会社の業績悪化で消えていった名門チームがたくさんある。会社を経営していくのは並大抵の苦労ではない。
ライバル会社を押しのけて飛躍するだけの製品を作ることができるのか?弱小野球部の存続はどうなるのか?融資は?はたして、一発逆転、起死回生策はあるのか!?本から目が離せない。崖っぷちギリギリのところで踏みとどまっている青島製作所だが、いつ転げ落ちるか分からないのだ。
危機的状況の中でも、あきらめることなく前に進もうとする姿には感動した。「努力すれば必ず報われる」という典型的な話で都合のよい展開だと多少は思ったが、まあまあ面白い作品だった。読後感も悪くなかった。

ゆこりん : 17:46 | 作者別・・いけいどじゅん