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2014年7月11日

猫のパジャマ(レイ・ブラッドベリ)


カリフォルニア9号線を走っているときに猫を見つけた!ひとりの男とひとりの女が、ほぼ同時にそれぞれの車から降りて猫に駆け寄る。どちらも、猫を先に見つけたのは自分だと譲らない。さて、結末は?表題作「猫のパジャマ」を含む21編を収録。

実にさまざまな話が、さまざまな長さで語られている。
表題作の「猫のパジャマ」は、猫を通して知り合った男と女の心情が鮮やかにそして巧みに描かれている。ラストの言葉がとても印象的で、思わずニヤッとしてしまった。
インディアンの酋長とアメリカ上院議員の賭けの話「酋長万歳」も面白かった。まさか、賭けに負けてアメリカ合衆国を取られてしまうとは・・・。発想がユニークだ。
「島」では、恐怖が増幅されるとどうなるのかということを描いている。おのれ自身で恐怖を巨大化していった先に待っていたものは・・・。ユーモラスでもあり、何とも言えない悲哀も感じた。
どの話も独特の感性で描かれていて興味深かった。中には理解し難い話もあったが、「レイ・ブラッドベリ」という作家を知ることができる貴重な作品だと思う。

ゆこりん : 20:05 | 作者別・・れ