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2014年5月29日

ケルベロスの肖像(海堂尊)


東城大学病院に脅迫状が届いた!
「8の月、東城大のケルベロスの塔を破壊する。」
病院長の高階の依頼を受けた不定愁訴外来の田口は、厚生労働省の白鳥の部下姫宮とともに調査を開始するが・・・。「バチスタシリーズ」最終話。

過去のさまざまな因縁がもたらした東城大学の危機。それを救うべく田口は奔走する。碧翠院や桜宮一族との負の関係もからみつき、事態は最悪の方向へと流れていく。そして、運命のエーアイセンター設立の日が・・・!
登場人物たちの会話が理屈っぽくてくどい。読んでいてうんざりする。話の展開もいまいち。なぜ田口があんなものに乗らなければならないのか?エーアイセンターの運命にも驚いた。派手な演出は映像化を意識してのことなのか?読後もあまりすっきりとはしなかった。もやもやしたものが残る。このシリーズ、最初のころの作品は面白いと思ったが、途中からそれほどでもなくなってしまった。シリーズ後半は惰性で読んでいるようなものだった。だんだんと魅力がなくなってきたのは残念だった。
また、この作品では過去のシリーズに登場した人物があちこちに登場する。過去の事件についても触れられている。なので、この本だけ単独で読んでもそれなりにしか楽しめない。読むのなら、今までのシリーズすべてを読んでからの方がいいと思う。

ゆこりん : 18:47 | 作者別・・かいどうたける