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2012年5月 2日

偉大なる、しゅららぼん(万城目学)


日出家と棗家。お互い特殊な能力を持つ両家は、長年敵対関係にあった。そんな両家の人間が高校の同じクラスになったことから、騒動が持ち上がる。戦いが始まるのか!?だが、敵は思いもよらぬところにいた!

琵琶湖の近くに暮らす日出家と棗家。決して相容れない両家。彼らは戦わなければならない運命なのか?そんな両家の前に新たな敵が現れた!
何という発想力なのだ!琵琶湖を題材に使うとは!しかも、その発想が奇抜で面白い。読めば読むほど「しゅららぼん」の世界に引き込まれていく。それにしても「音」がキーワードになるとは・・・。「音」こそが、日出家と棗家の均衡をかろうじて保たせている。また、登場人物もすごいとしか言いようがない。この個性的な面々を作者は巧みに作品の中で使いこなしている。
ほかの人が持っていない特殊な力。そういう力を持つ人間はカッコよく見える。けれど、持っている人間は、人と違うことに悩み苦しむこともあるのだ。力のせいで、大きく運命を変えられることもある。その切なさも充分伝わってきた。それだけに、ラストへの展開の仕方は胸に迫るものがあった。お見事!読後もさわやかさが残る。究極の楽しさを味わいたい方は、ぜひ万城目ワールドへ♪

ゆこりん : 16:51 | コメント (2) | 作者別・・まきめまなぶ


コメント

万城目作品って関西が舞台でしょ。
だからとても身近に感じるんです。
新聞のローカル面にもよく記事が掲載されてますよ。

しゅららぼん、面白かったですね。

大阪だとプリンセストヨトミなんだけど
作品としてはこちらのほうが好きです。

投稿者 ats : 2012年5月10日 22:56

>atsさん
こんにちは。
私も「トヨトミ」よりこちらの方が好きです。
この作品のほうが人間の悲哀みたいなものを
感じるんですよね。
万城目さんの世界は、独特なものがあってとても
好きです(^○^)

投稿者 ゆこりん : 2012年5月11日 15:39