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2014年1月23日

さよならドビュッシー(中山七里)


ピアニストを目指し毎日練習に励んでいた遥は、祖父と従妹とともに火事に遭う。大やけどを負いながらひとりだけ生き残った遥だったが、次々に不幸が襲う。後遺症に苦しみながらコンクール優勝を目指す彼女の夢はかなうのか・・・。

火事の後遺症に、心も体も傷つけられた。けれど、岬という心強いピアノの師を得て、コンクール優勝を目指し遥は練習に励む。だが、遥のまわりには次々と不可解な出来事が起こる。そして衝撃の殺人事件!なぜ遥にこんなにも不幸が襲いかかるのか?その真相を知ったときは「そうだったのか!」とは思ったが、意外性は感じられなかった。ある程度予測がつくことだった。また、真相を知ってストーリーを振り返ったとき、あることに対し、本当に最初はだれも気づかなかったのかと疑問を感じた。名前は伏せるが、ある人物の動機もちょっと弱いのでは?それでも、音楽の描写は圧巻だった。演奏が本の行間から聴こえてきそうな気がした。
ストーリーに不自然さを感じるところはあったが、まあまあ楽しめる作品だと思う。

ゆこりん : 19:52 | 作者別・・な