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2012年9月 5日

くちびるに歌を(中田永一)


長崎県五島列島。この島にある中学校の合唱部は、Nコン出場のため課題曲の練習を始めた。顧問の先生の産休。女子だけだった部への男子の突然の入部。さまざまな不安を抱えて、彼らはNコンを無事乗り切れるのか?

産休の松山先生の代わりに来たのは、美人の柏木先生。その先生を目当てに合唱部に入部する男子生徒。女子だけだった部に、さざ波が立ち始める。けれど、柏木先生の意向でNコンには混声合唱で出場することになった・・・。
家庭環境、性格、性別、考え方。十人十色というけれど、まさにその通り。合唱部に、個性豊かな人間が集まった。彼らは、さまざまな問題や悩みを抱えながら、Nコンというひとつの目標に向って突き進む。内容的には、目新しいものはない。平凡だと思う。その一方で、過剰な演出だと感じる部分があった。サトルの家庭環境についても、そういう設定にする必要があったのかちょっと疑問に感じた。けれど、ひとつの目標に向ってみんなが心を合わせていく過程は、素直に感動した。細かいところは気にせずに、素直な気持ちでこういう作品を読むのもいいかもしれない。

ゆこりん : 16:18 | 作者別・・な