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2012年1月19日

アラミスと呼ばれた女(宇江佐真理)


「父のような通詞になりたい!」
女人禁制の職だった通詞へのあこがれは、やがてひとりの男の出現で現実へと変わっていく・・・。幕末から明治の時代に「アラミス」と呼ばれたお柳の波乱に満ちた生涯を描く。

江戸から明治へ。時代が大きく変わろうとしているときにお柳は通詞になる決心をする。女人禁制の職場に男装して入り込む。自分が想いを寄せる男のために、お柳は命さえも懸けるつもりだったのだろう。男を陰で支え続けたことが、時代を大きく変えることにつながっていく。一途な思い、貫き通した信念。彼女の凛とした生き方には感銘を受けた。お柳の果たした役割は大きい。だが、彼女の名前は決して表に出ることはない。お柳はそれで本当に満足だったのだろうか。人並みな幸せの中に身を置くことだってできただろうに・・・。
田島勝という実在の人物をヒントに描かれているので、読んでいて胸に迫るものがあった。明治維新を別の角度から描いていて、なかなか興味深かった。

ゆこりん : 15:31 | 作者別・・うえざまり