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2012年1月20日

アイスクリン強し(畠中恵)


江戸から明治へ。時代の流れはさまざまなものに変化をもたらす。元士族だった者が警官になるということも珍しくなかった。だが、元士族から洋菓子屋になった者がいた!
洋菓子屋皆川真次郎と、「若様組」と呼ばれる彼の友人の警官たちが巻き込まれた騒動とは・・・?5編を収録。

明治の世も20年を過ぎ、人々がようやく新たな時代に慣れてきた頃の話だ。洋菓子屋を営むミナこと皆川真次郎、友人の「若様組」と呼ばれる警官たち、成金の娘沙羅・・・登場人物もなかなかユニークだ。日常生活の中で起こる事件や騒動を、彼らは解決していく。その過程もまあまあ楽しめるが、この作品の中に登場する料理やお菓子も、読んでいてなかなか興味深かった。ただ、タイトルと話の内容が合わないのが気になった。作者はどういう意図で、それぞれの話にこういうタイトルをつけたのか?内容自体も少々盛り上がりに欠け、重みも足りないように感じた。もう少しずっしりとした読み応えのある内容を望みたい。「マンガみたいな話」というのが、正直な読後の感想だ。

ゆこりん : 19:41 | 作者別・・はたけなかめぐみ