« 医学のたまご(海堂尊) | メイン | 虚ろ舟(泣きの銀次参乃章)(宇江佐真理) »

2011年12月20日

晩鐘(続・泣きの銀次)(宇江佐真理)


銀次が十手を置き、小間物屋・坂本屋のあるじに専念してから10年の月日が流れた。だが、殺された妹と同じ名のお菊という娘を助けたことが、再び銀次に十手を握らせるきっかけとなる。娘を次々に拐かす下手人の正体は・・・?泣きの銀次シリーズ2。

あの銀次が帰ってきた!10年ぶりに十手を握る銀次は40歳・・・。そして、3人の子供の父親になっていた。だが、相変わらず死人を見ると、人目もはばからずに泣く。それは、銀次が優しい心を持っている証だと思うのだが。
今回は、娘の拐かし事件だ。それも、読んでいてつらくなるような残酷な事件だ。まったくといっていいほど手がかりがなかったが、銀次は同心の表勘兵衛らとともに徐々に真相に迫っていく。そして、下手人の意外な素顔が・・・。
事件のことばかりではなく、銀次の家族の悩みなども描かれていて、人間味のある作品になっている。生きていくためにはきれい事ばかりではない。ときには泥にまみれなければならないこともある。銀次の生きざまを通して、生きることの厳しさも感じた。読後ほろ苦さも残るが、味わいのあるいい作品だと思う。

ゆこりん : 19:25 | 作者別・・うえざまり