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2009年9月28日

水に眠る(北村薫)


会社の同僚に誘われて行ったお店で飲んだ水割りは、不思議な味わいだった。マスターが、「この人になら。」と思ったお客にだけ出す水割りの秘密とは?表題作「水に眠る」を含む10編を収録。

評判がいい短編集ということで読んでみたが、私にはあまり合わない作品だった。中には、「植物採集」のように女心を絶妙に描き面白いと思ったものもあるが、ほかの話は受け入れがたいものがあった。「くらげ」の話は星新一さんのショートショートを思い起こさせるが、星作品のような完成度には到っていないのではないだろうか?「矢が三つ」は一妻多夫のような話だが、作者が何を言いたいのかが伝わってこない。どの話も中途半端な印象が強い。読み手側に響いてくるものがない。いろいろな方がこの作品を絶賛しているが、どうも私には理解できない。今まで読んだ北村作品とはまるで違う。異色だ。これから北村作品を読もうと考えている人は、この作品を最初に読む作品に選ばないほうがいいと思う。

ゆこりん : 15:36 | 作者別・・きたむらかおる