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2006年11月 7日

ひとがた流し(北村薫)


「ずっと友だち。」少女時代とは違い置かれている環境はさまざまだけれど、千波と美々と牧子は友情を育んできた。ある日彼女たちに、思いがけないことが起きる。その時3人は・・・?心温まるけれど、ちょっとせつない物語。

中学や高校時代の友情が大人になってもずっと続いているのは、とても素敵なことだ。卒業、進学、就職、結婚などで、知らず知らずのうちに疎遠になってしまうことのほうが多いのに。千波と美々と牧子の関係はとてもうらやましい。くっつき過ぎず、離れ過ぎず、適度な関係を保ち続けている。でも、お互いがお互いを思いやる気持ちは決して忘れていない。その気持ちは、ある出来事を境により強くなっていく。ほのぼのとした展開だが、後半はせつなかった。そのことが、作品をより印象深いものにしている。余韻の残る作品だった。

ゆこりん : 16:33 | コメント (4) | トラックバック (3) | 作者別・・きたむらかおる

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トラックバック時刻: 2006年11月 8日 20:43

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トラックバック時刻: 2006年12月15日 19:31


コメント

こちらにも失礼致します。
切ない話になると思っていなかったので、最後は悲しかったです。
でも、学生時代からずっと仲の良い友人って良いですよね。
私もそういう人がいたら良いなぁと思います。
北村さんらしい作品だなぁと思います。

投稿者 苗坊 : 2006年11月 8日 20:40

>苗坊さん
最後は悲しいですね・・・。
思わず涙が・・・(TT)こんな展開になるとは
読み始めたときは想像もできませんでした。
学生時代からずっと中のよい友達・・・。
私も大事にしなくちゃ♪

投稿者 ゆこりん Author Profile Page : 2006年11月 9日 18:04

中高時代の友達とはすっかり疎遠になってしまっている私には、この3人の関係がとても羨ましかったです。
しっとりとした、心に静かに沁みるお話でした。

投稿者 小葉 : 2006年11月26日 18:10

>小葉さん
私も中高の友達とは疎遠になっています。
こんなふうに大人になってもずっと続いて
いるのはうらやましいですね。
ラストは本当にせつなかったです。

投稿者 ゆこりん Author Profile Page : 2006年11月29日 16:43