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2014年4月 1日

ビブリア古書堂の事件手帖5(三上延)


古書店に「彷書月刊」のバックナンバーをまとめて売りに来る年配の女性がいた。しかもその女性は、1~2週間経つと買い戻しに来るらしい。あちこちの古書店でこんな不思議な行動を繰り返す女性の真意は?「彷書月刊」を含む5編を収録。

相変わらず本にまつわる謎解きは興味深い。今回は手塚治虫や寺山修司が取り上げられていて、とても懐かしい気持ちになった。手塚作品の「ブラックジャック」をもう一度じっくり読みなおしてみたくなった。でも、それ以上に興味深いのは、大輔と栞子のことだ。お互いに好意を持っていることは分かるのだが、はたしてこれからどうなるのか?作者がふたりの関係をどうするつもりなのか?また、栞子と彼女の母親の関係も気になる。栞子の中にある母親と似た部分・・・。母親と同じ道を歩むのだけは避けてほしいと思う。終わり方も衝撃的だった。不穏な空気が漂い始めている。すべての謎や心配が次の作品ではすっきりと解決するのか、非常に気がもめるところだ。
今回の作品も、読み手を充分に楽しませてくれた。とても面白い作品だと思う。最後に、ひとつだけ忠告を。このシリーズは絶対に1から順番に読んでください。決して途中から読まないように(*^.^*)

ゆこりん : 15:16 | 作者別・・みかみえん