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2013年9月20日

キケン(有川浩)


成南電気工科大学の部活の中に、「機械制御研究部」略して「機研(キケン)」があった。さまざまな事件を起こし、そしてさまざまな伝説を生んだ機研。その機研の黄金期を描いた作品。

上野、大神、元山、池谷・・・。どの登場人物も個性豊かだが、上野と大神の個性が際立っている。かなりいいいコンビだと思う。やっていることはめちゃくちゃに見えるが、実はそうではない。持っている能力には驚かされる。このふたりが「機研」の伝説を生んでいくことになるのだが、元山、池谷を初めとする後輩たちはホントに気の毒としか言いようがない。いつも振り回されるばかりだ。だが、彼らはこの状況に慣れ、抜群のチームワークを発揮するようになる。この過程は、なかなかいい♪
内容自体は、山もなく谷もなく淡々と物語が進んでいく感じだ。盛り上がりに欠けてちょっと不満が残る。また、現実味に乏しい面もあったが、きらめくような青春時代をあざやかに切り取った、読んでいて楽しめる作品に仕上がっていると思う。それにしても、「らぁめんキケン」は一度食べてみたい。おいしそう・・・。

ゆこりん : 17:54 | 作者別・・ありかわひろ