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2013年9月 6日

和菓子のアンソロジー(アンソロジー)


坂本司さんリクエスト!10名の作家が和菓子をモチーフにさまざまな物語を書いた。お菓子のように甘い話だけではなく、苦い話や切ない話も・・・。さまざまな味の話を詰め込んだ短編集。

アンソロジーの魅力は、何と言ってもいろいろな作家さんの作品を一挙に読めることだと思う。すごく贅沢で得した気分になる。この「和菓子のアンソロジー」にも、10名の作家さんが登場する。小川一水さん、木地雅映子さん、北村薫さん、近藤史恵さん、坂本司さん、柴田よしきさん、日明恩さん、恒川光太郎さん、畠中恵さん、牧野修さん。すごい顔ぶれだ。未読の作家さんもいたので、この機会に読むことができてよかった。
一番印象に残ったのは、坂本司さんの「空の春告鳥」だ。「和菓子のアン」の続編のような話で、またアンちゃんに会えたのがうれしかった。シリーズ化してくれないだろうか・・。坂本司さん、お願いします!
和菓子にさまざまな色や形そして味があるように、和菓子を題材にした話にもさまざまな味わいがある。
北村薫さんの「しりとり」は、切ない中にも愛情の深さが強く感じられる話だった。ホロリときた。牧野修さんの「チチとクズの国」は、自殺しようとした息子と幽霊の父親との話だ。親は、いついかなる時も(たとえ死んでしまっても!)子供の身を案じているものなのだ。親子の絆の深さを感じさせてくれた。そのほかにも、ミステリーあり、ファンタジーあり、恋愛話あり♪楽しめる一冊だと思う。

ゆこりん : 19:42 | 作者別・・あ他