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2013年7月23日

再会(横関大)


幼い日、4人で埋めたタイムカプセル。だが、その中には、永遠に封印してしまいたいものもあった。ある事件がきっかけで4人は再会するが、それぞれの思惑が複雑に絡み合い、ねじれていった・・・。過去と現在をつなぐ悲劇とは?第56回江戸川乱歩賞受賞作品。

過去の事件の真相。そして現在の事件の真相。それが微妙なつながりを見せる。いったい拳銃を撃ったのは誰か?読み手の思惑が翻弄される。想像を超える展開に驚かされた。けれど、過去の事件の真相に関して言えば、突然真実が明かされてもとまどう気持ちが大きかった。作者は「意外な真相」を狙ったのだろうが、そういうふうには思えなかった。「都合がよすぎる。」そういう思いのほうが強かった。少ない登場人物の中に犯人を設定するのは無理があったのではないか?現在と過去、どちらの事件が解決してもすっきりとした感じはしない。感動もない。モヤモヤ感だけが残った。それほど面白いとは思えない作品だった。

ゆこりん : 17:59 | 作者別・・よ他