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2013年7月 8日
ペットのアンソロジー(アンソロジー)
近藤史恵さんリクエスト!我孫子武丸さん、井上夢人さん、大倉崇裕さん、大崎梢さん、太田忠司さん、柄刀一さん、汀こるものさん、皆川博子さん、森奈津子さん、そして近藤史恵さん。10人の作家が、ペットをモチーフに描いた作品を収録。動物好きの人にはたまらない作品。
この作品には、実に多種多様な生き物が登場する。多種多様なのは動物ばかりではない。その動物たちに関わる人間も多種多様だ。世の中にいろいろな人間がいるのは当たり前だけれど、絶対に許せないのは動物を悪事に利用しようとする人間たちだ。自分たちの悪事のためなら平気で動物を傷つけたり命を奪う。「里親面接」の話は、読んでいて怒りに燃えた。一方、飼い主とのほのぼのとした交流を描いた作品もあった。「ネコの時間」だ。この話には泣かされた。ネコのみゃーが真子を思う気持ちが痛いほど伝わってくる。出会いがあれば別れがある。ネコの寿命は人間よりはるかに短い。真子とみゃーにも別れの時が・・・。この話、思い出しただけでも泣ける。ラストは、涙と感動がごちゃ混ぜだった。
1冊で10種類のステキな話が読める。ちょっと得した気分になれる作品だった。