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2013年3月19日
147ヘルツの警鐘(川瀬七緒)
悲惨な焼死体の腹部から発見されたのは、意外なものだった!
困難な事件に、警視庁は法医昆虫学者・赤堀涼子の起用を決定する。被害者の体に残されたわずかな手がかりから、彼女がたどりついた真実とは?
虫が嫌いだ。この作品の中にはたくさんの虫が登場する。読んでいるだけでも、背中がむずむずしてくる。けれど、虫の生態はとても興味深いものばかりだった。「ウジ」から死亡時間が推定できるのには驚いた。恐るべき、ADH!
赤堀涼子。彼女は心から虫を愛している。虫のことを「この子たち」と、親しみを込めて呼ぶ。彼女はいつも言う。「虫たちが教えてくれる。」と。物言わぬ虫たちが発するメッセージを、彼女はしっかりと受け止める。この法医昆虫学という発想はとても面白かった。けれど、事件そのものの組み立て方はやや荒っぽく、説得力に欠ける感じがした。ストーリー展開も、もう少し滑らかさがあれば読みやすかったのでは?でも、「赤堀の活躍をもっと読んでみたい!」と思う。作者の川瀬七緒さんにお願いしたいなぁ・・・。