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2013年3月21日

ヒート(堂場瞬一)


「神奈川県は、世界最高を目指す!」
そう高らかに宣言した知事に、神奈川県教育局スポーツ課の音無は目を見張る。カギを握るのは、山城という男だった・・。はたして、42.195キロに奇跡は起きるのか?

「世界最高記録更新」それがとてつもなく困難なことだと、誰もが知っている。だが、この困難なことに敢えて挑戦しようとする男たちがいた。入念なコース設定、選手やペースメーカー探し、気候への対策、マスコミへの宣伝・・・。やることは山ほどあった。それにしても、マラソンというスポーツが、こんなに繊細なものだとは知らなかった。ペースメーカーがこれほど重要な存在だということも初めて知った。走る当人はもちろんのこと、それを支えるスタッフの努力は並大抵ではない。
後半は思わぬ展開になった。はたして世界最高記録は出るのか~~~!?手に汗握る緊迫した状況に、読んでいて心臓がドキドキしてきた。それだけに、ラストは微妙だった。プツンと途切れてしまった感じがした。「ここで終わっていいのか!」そう叫びたいのは、私だけだろうか・・・。

ゆこりん : 14:59 | 作者別・・どうばしゅんいち