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2013年2月15日

旅猫リポート(有川浩)


しっぽが曲がっていて数字の7に見えることから、ナナと名づけられた猫がいた。飼い主のサトルは、ある日ナナを連れて旅に出る。やむを得ない事情でナナを飼えなくなったサトルは、昔の友人たちを訪ねながら、もらい手さがしを始めたのだった・・・。

サトルはナナと一緒に旅に出た。遠い昔の思い出は、悲しいこともあったけれど、仲間と笑いあう楽しいこともたくさんあっただろう。その楽しい思い出をひとつひとつかみしめるように、サトルは懐かしい人たちに会いに行く。読み進めていくうちに、サトルがナナを手放さなければならない事情がなんとなく見えてきた。それでも、「どうか、私の考えがハズレでありますように!」と祈るような気持ちで読んだのだが・・・・。
ナナとサトルの関係は、本当にほほえましかった。サトルの思いがせつない。ナナの思いがせつない。なぜふたりは別れなければならないのだろう。こんなにもお互いがお互いを必要とし合っているのに。つらく悲しい運命を彼らに与えた作者に、言えるものならひとこと文句を言いたい。
ラストは、本当にじんときた。私のような猫好きにはたまらない作品だと思うが、猫好きでない人も大きな感動に包まれることだろう。でも、決して人前では読まないように。泣き顔を公衆の面前にさらすことになります(笑)。

ゆこりん : 20:05 | 作者別・・ありかわひろ