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2013年1月30日

ロスジェネの逆襲(池井戸潤)


東京中央銀行の子会社である東京セントラル証券は、大きな仕事を手にする。IT企業の電脳雑伎集団の社長から、東京スパイラル買収の相談を受けたのだ。だが、東京中央銀行がその仕事を強引に横取りした。窮地に陥った半沢は、起死回生の策に出る。

理不尽なことや間違ったことに正々堂々と「ノー!」と言う。「やられたらやり返せ!」「やられたら倍返し!」半沢のその信念は、いくつになろうとどこにいようとまったく変わらない。
今回の戦いの相手は、親会社である東京中央銀行だ。だが、半沢はひるまない。自分の立場がどうなろうとも、卑劣な相手には真っ向から勝負を挑む。その生き方は痛快だ。形勢は不利で、追い詰められもう打つ手がない土壇場にきても、半沢は決してあきらめなかった。状況を冷静に分析し最善の手を模索する。それにしても、なんと私利私欲に満ちている人間が多いことか!相手を追い落とすこと、自分の保身、それ以外に考えることはないのか?読んでいて憤りを感じた。「半沢!やれーー!」読みながら、何度も半沢にエールを送った。現実にはこういう状況はあり得ないかもしれない。けれど、この作品は読む者に希望を与えてくれる。最後に正義は勝つのだ。
起伏に富んだ内容で、読み手の心をつかんだら最後まで絶対に離さない。読後も爽快さを味わうことができた。とても面白い作品だと思う。満足満足♪オススメです!

ゆこりん : 20:02 | 作者別・・いけいどじゅん