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2013年1月28日

眠りの森(東野圭吾)


葉瑠子が人を殺したという知らせが美緒に入った。バレエ団の事務所に侵入した男と鉢合わせし、その男が襲いかかってきた結果こういうことになってしまったのだ。正当防衛か?だが、今度はバレエ団の関係者が謎の死を遂げる。加賀たちの捜査から浮かび上がってきたのは、バレエ団の隠された事情だった・・・。

はたから見れば華やかなだが、一歩中に入るとそこは過酷な世界だった。嫉妬や確執もあるだろう。他人との戦いばかりでなく、自分自身との戦いもあるだろう。上を目指すためには、常に何かを犠牲にしなければならないのだ。そういう中で起こった殺人・・・。巧妙なトリックは犯人の執念の現われなのか?事件の真相に迫れば迫るほど、加賀の苦悩は増していく。ミステリーの部分も面白いが、加賀がひとりの女性に惹かれていく過程もとても興味深い。加賀恭一郎にこういう過去があったとは!果たして恋は成就するのか?
バレエという特殊な世界を、わかりやすくよく描いていると思う。ちょっぴりほろ苦い余韻が残るラストも、印象的だった。

ゆこりん : 18:15 | 作者別・・ひがしのけいご