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2013年1月20日

ブロードアレイ・ミュージアム(小路幸也)


1920年代の古き良き時代のブロードウエイの裏通りに、ブロードアレイ・ミュージアムがあった。30数年後、当時のことを聞きにある男がかつての<さえずり屋>グッデイを訪ねてきた。グッディが語るブロードアレイ・ミュージアム(BAM)・・・。そこにはいったいどんなドラマがあったのか?不思議な感動に満ちた物語。

物に触れると、その物にまつわるいろいろなできごとが見えてしまう不思議な少女フェイ。彼女のために、彼女が見た"これから起ころうとする悲劇"を防ごうと奮闘するブッチ、メイベル、バーンスタイン、モース、エディの5人のキュレーターたち。ブロードアレイ・ミュージアム(BAM)に集う人たちは、個性的で何とステキな人ばかりなのだろう。
「サッチモのコルネット」「ラリックのガラス細工」「ベーブ・ルースのボール」「シャネルの0番」「リンドバーグの帽子」、そのどれもがミステリアスで面白い。さまざまな謎を解いていくうちに、BAMの秘密やフェイの秘密も少しずつ明らかになっていく。BAMで、フェイは本当に楽しく暮らしていたのだけれど、彼女が決断しなければならない日がやって来た・・・。「フェイ、本当にそれでよかったの?」彼女に問いかけてみたい。
時は流れる。どんなに楽しい日々も、いつかは過去のできごとになってしまう。けれど、どんなに月日が経とうとも、決して色あせることなく輝く思い出がある。それがBAMでのできごとだと思う。
ちょっぴり切なくほろ苦い、いつまでも心に残るステキな作品だった。

ゆこりん : 21:53 | 作者別・・し他