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2012年11月19日

ソロモンの偽証 第Ⅱ部 決意(宮部みゆき)


藤野涼子が決意する。「真相を究明するために学校内裁判を開廷する!」その決意は周囲の者たちを驚愕させた。柏木卓也の死は自殺か?それとも、告発状に書かれていたように大出俊次に殺されたのか?他校の生徒だが、卓也の塾での友だちだったという神原和彦が弁護人に名乗り出た・・・。

学校内裁判。それは体裁や体面ばかりを考える学校にとっては好ましくないことだった。阻止しようとする学校側とあくまでも真相を追究しようとする涼子たちとの間にいさかいが起こる。だがついに、学校内裁判は開廷されることになった。柏木卓也が死んだ12月24日。その日にいったい何があったのか?大出俊次は柏木卓也を殺したのか?検事側も弁護側も、真実を求め奔走する・・・。
さまざまな生徒たちが登場する。そして、さまざまな生徒たちの家族や家庭が描かれる。神原和彦、大出俊次、野田健一、浅井松子、三宅樹里、そして柏木卓也。彼ら自身や彼らの家族の描写には読んでいてつらいものがあった。子供を持つ親なら、誰でもそういう感情を持つのではないだろうか。まだ中学生だ。抱え込んだものが大き過ぎて、つぶされそうになることもあるのだ。彼らの心の叫びが聞こえてきそうで胸が痛い。渦巻く悪意の中から、はたして涼子たちは真実をすくい上げることができるのか?ページをめくる手が止まらない。第Ⅲ部「法廷」へ!

ゆこりん : 17:14 | 作者別・・みやべみゆき