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2012年10月 1日

花のさくら通り(荻原浩)


オフィスの家賃の支払いが苦しくなり、郊外に引っ越してきたユニバーサル広告社。引越し先は、さびれた商店街の中にある和菓子屋の2階だった・・・。「ここの商店街を何とかしてほしい。」その思いに応えるべく、ユニバーサル広告社の面々が立ち上がった!「ユニバーサル広告社」シリーズ第3弾。

以前は活気があった街。子供たちの声が聞こえ、商店街もにぎやかで人通りが絶えなかった。それが今では、住んでいる人も高齢化し、商店街もすっかりさびれ、シャッターを閉めたままの店が目立つようになった。こういう姿の街が、日本のあちこちに増えている。この作品に登場するのもそんな街だ。「今までと同じやり方ではだめだ。新たな有効策を考えなくては!」そう叫んで街の活性化を模索する人々の前に、その街のぬしのような者たちが立ちはだかる。彼らは、今までのやり方を押し通そうとする。「商店街全体に危機が迫っているのに、なぜ分からないのだ!」あまりの頑固さに読んでいてイライラしてくる。ユニバーサル広告社の面々は、さまざまな困難を乗り越えながら、商店街の活性化のために奔走する。やがて少しずつ人々の意識が変わり始め、商店街に活気が戻り始める。努力が実を結んだ瞬間は、感動的だった。すぐには大きく変わらないだろう。でも、一歩ずつ確実に前に進み続けてほしい。読後、そんな想いが胸にあふれた。人情味あふれるさくら通り商店街が、これからもずっと続きますようにと願わずにはいられない。本当に楽しい作品だった。読後感もよかった♪

ゆこりん : 15:14 | 作者別・・おぎわらひろし