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2012年8月24日

ひなこまち(畠中恵)


人形問屋平賀屋が、美しい娘ひとりを雛小町に選び、その面を手本にして雛人形を作ることになった。さあ大変!江戸中の若い娘は浮き足立った。ここで大儲けしたのは、娘たちに着物を売る古着屋だった。だが、悪徳古着屋が現れて・・・。表題作「ひなこまち」を含む5編を収録。「しゃばけシリーズ」第11弾。

表題作のほかに、人間の欲にまつわるできごとを面白くそしてちょっぴりせつなく描いた「ろくでなしの船箪笥」、ばくが見た夢からひと騒動起こる「ばくのふだ」、河童がくれた薬玉で起こる騒動を描いた「さくらがり」、ある夫婦の絆を描いた「河童の秘薬」がある。それぞれの話は独立しているが、どこかでつながっている。微妙で絶妙なつながり加減だ。今回も味わいのある話ばかりだったが、少々インパクトが弱いと感じたのは気のせい?仁吉や佐助の活躍もあまりなかったような気がする。とはいえ、読んでいて心がほのぼのとするのはいつもの通り♪楽しい作品だった。

ゆこりん : 16:37 | 作者別・・はたけなかめぐみ