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2012年5月10日

宇宙創成(サイモン・シン)


「宇宙はビッグバンから始まった。」
今では宇宙創成の常識のように言われているが、そこに至るまでには実に数多くの人たちの苦労があった。宇宙はいかにして創られたのかという難問に、果敢に挑んだ人々の感動的な記録物語。

最初は、自分たちの住んでいる地球の大きさも知らなかった。地球が太陽の周りを回るのか、太陽が地球の周りを回るのかさえ、結論が出なかった。だが、少しずつ少しずつ、人々は宇宙の謎に迫っていく。そして、科学、数学、天文学など当時の最高の知識を駆使して、宇宙はいかにして誕生したかを調べ始める。けれど、科学技術には限界がある。人々が追い求めるものに手が届くためには、恐ろしく長い時間がかかった。時には意見の対立もあった。しかし、異なる意見の中から思わぬ真実が発見されることもあった。そのときの驚きや興奮は、読み手である私にも充分伝わってきた。
また、宇宙創成は無秩序になされたものではない。それは、科学、物理学、数学できちんと説明できるものだということにも驚いた。宇宙創成には完全なる理論があったのだ!
紀元前の宇宙観から現代の宇宙理論までの経緯が、分かりやすく説明されている。登場するさまざまな人たちのエピソードも面白かった。難しくて書かれていることすべてを完璧に理解できたわけではないが、それでも「一読の価値あり!」と思う。オススメです♪

ゆこりん : 16:21 | 作者別・・さ他