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2012年3月22日

謎解きはディナーのあとで(東川篤哉)


「宝生グループ」総帥のひとり娘である宝生麗子。なに不自由のないお金持ちのお嬢さんであるはずの彼女の職業は何と!刑事!けれど、次々に起こる難事件を実際に解決していくのは、執事の影山だった。麗子から状況を聞くだけで、犯人が誰かを見抜いてしまう。ふたりを待ち受けている難事件とは?6編を収録。

「お嬢様はアホでいらっしゃいますか?」
執事・影山の辛辣な言葉に怒り心頭の麗子だが、事件解決のためにはぐっと我慢する。麗子の話から犯人を特定する影山。ふたりの掛け合いがユーモラスで面白い。麗子の上司の風祭も、なかなか個性的だ。しかし、事件の内容はそれほど面白いものではないような気がする。薄っぺらい。なので、事件の謎を解く影山に対しても、お世辞にも「お見事!」とは言えない。純粋にミステリーを楽しみたいと思う人には不満かもしれない。それにしても、麗子にここまで容赦ない言葉を浴びせる影山とはいったい何者?事件以上に、影山の謎が気にかかる。シリーズの中で、明かされるときがくるのだろうか・・・?

ゆこりん : 18:48 | 作者別・・ひ他