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2012年2月17日

人生という名の手紙(ダニエル・ゴットリーブ)


30代の頃の事故で四肢麻痺となってしまったダニエル。彼が53歳のときに、孫息子が生まれる。だが、たったひとりの孫サムは自閉症だった!精神分析医、家族療法士でもあるダニエルが、サムに贈ったメッセージ。

生きるということは、楽しいことよりもつらいこと哀しいことの方が多いかもしれない。だが、心の持ちようで人は人生の困難を乗り越えていくことができるのだ。そのことをこの作品は教えてくれる。サムに当てたメッセージだが、ここに描かれていることはどんな人にも通じるものがある。
負けてはいけない。どんなものにも立ち向かう強さや勇気を持たなければならない。そして、まわりのものすべてに対し、感謝の心を持たなければならない。このことを強く感じた。また、
「さじ1杯分の塩を茶碗1杯の水に溶かして飲むのと泉に溶かして飲むのでは、当たり前だが味が違う。問題は塩ではない。問題は入れ物なのだ。」
この描写がとても印象に残った。自分がどういう心を持たなければならないのかが、はっきりとわかる。優しく穏やかな気持ちで書かれた文章は、素直に受け入れることができる。
人生についていろいろ考えさせてくれる、感動的な作品だと思う。

ゆこりん : 20:03 | 作者別・・た他