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2012年1月23日

Another(綾辻行人)


夜見山中学3年3組。そこには隠された秘密があった。転校してきた榊原恒一は、級友たちが何かに怯えているのに気づく。いるのに、いない。いないのに、いる。いったい何があるというのか?呪いの恐怖が3年3組に迫っていた・・・。

発想が奇抜で面白い。読んでいると、じわりじわりと恐怖の輪が縮まっていく。人の力ではどうすることもできない「負の力」が、3年3組に関わるすべての人たちに迫っていくさまは、背筋が寒くなるような気がした。前半は真相がよく分からずやきもきしながら読んだが、後半のほうはテンポがよかった。ただ、呪いのきっかけとなる出来事については分かったが、そのことがなぜ3年3組に災いを及ぼすようになったのかが理解できなかった。ラストも、多少は驚いたが意外とあっさり終わってしまった感じがする。これで解決?いや、どう考えても解決には至ってないと思うのだが・・・。文庫本で上下合わせて750ページの大作だが、すっきりしない終わり方には少々疑問や不満が残る。結局、3年3組はどうなっちゃうの!?

ゆこりん : 16:05 | 作者別・・あ他