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2011年9月28日

マスカレード・ホテル(東野圭吾)


連続殺人事件の次の犯行場所は、一流のホテル。だが、誰が狙われるのか分からない。事件を未然に防ぎ、なおかつ犯人を逮捕するために、捜査員がホテルマンになりすましホテルに潜入する。フロント係の山岸尚美は、新田という警部補とペアを組むことになった。プロとしてのプライドがぶつかり合うふたり。はたして、事件を無事解決することができるのか?

ホテルには、さまざまな人間がやって来る。客として接しなければならない尚美。片っ端から疑いの目で見る新田。あまりにも立場の違うふたりは、最初は衝突する。尚美も新田も、その道のプロだ。絶対にこれだけは譲れないという、プロとしてのプライドがある。だが、ふたりの思いは同じだ。「犠牲者を出さずに犯人を逮捕する。」その思いが、尚美の意識も新田の意識も変えていく・・・。
読んでいると、ホテルに来るどの人間も怪しく思えてしまう。緊迫する状況に、適度な緊張感を持って読み進めた。ストーリー展開は、なかなかよかったと思う。けれど、犯行場所を特定する手がかりは懲りすぎではないのか?犯人の動機も一方では納得できるが、もう一方では疑問に感じる。はたして殺意を抱くほどのことなのかと。そして最大の疑問は、尚美も新田も職業は違うけれど人を見るプロなのに犯人の手口を見抜けなかったことだ。なぜ不自然だと思わなかったのだろう。そこのところがどうしてもひっかかる。犯人の設定に無理があるのではないだろうか。どういう結末を迎えるのか期待しながら読んだが、疑問や不満の残る終わり方で残念だった。

ゆこりん : 19:40 | コメント (2) | 作者別・・ひがしのけいご


コメント

「マスカレードホテル」がっかりでした(^_^;)
東野さんにしては雑な作りでしたね。
それに最近の出版社の触れ込み「東野作品の最高峰」にはもううんざりです。
新田浩介だっていい迷惑。
シリーズキャラクターはもっと温かく育てないとね。

東野ファンだからこその辛口発言です(^O^)

投稿者 ats : 2011年10月 1日 01:50

>atsさん
こんばんは~♪
いつもブログを拝見しています(^◇^)
この作品、私もちょっとがっかりでした。
東野さんには、もっとじっくりと練りに練った
作品を期待したいです。
新田のキャラ、私はそれほど魅力あるように
思えませんでした。これからなのかな?
私も、辛口発言でした。あえて・・・。

投稿者 ゆこりん : 2011年10月 1日 19:40