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2011年9月 8日
Anniversary50(9人の作家によるアンソロジー)
カッパ・ノベルズ創刊50周年記念にちなんで、「50」をキーワードにした作品を9人の作家が書き下ろした興味深い1冊。
綾辻行人、有栖川有栖、大沢在昌、島田荘司、田中芳樹、道尾秀介、宮部みゆき、森村誠一、横山秀夫と、魅力的な作家が集まった。彼ら9人が「50」というキーワードをどのように使うのか、読む前から期待でワクワクした。
それにしても、「50」という言葉からこれだけのさまざまな趣の違う作品ができるとは!さすがみなさん、かなりの力量だ。その中で一番印象に残ったのは、宮部みゆきさんの「博打眼」だ。人の心の弱さを見抜き、人に入り込む恐ろしい妖怪「博打眼」。その描写は読み手をぞくりとさせる。そんな恐ろしい妖怪と50匹の犬張り子との闘いは、実にユニークでよかった。面白さが凝縮されて詰まっている。「博打眼」は、そんな感じの話だった。1冊でいろいろ楽しめるアンソロジー。たまにはこういう本もいいかもしれない