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2011年7月 5日

ジェノサイド(高野和明)


父の突然の死・・・。葬儀もすませ大学に戻った研人に、死んだはずの父からメールが届く。ウィルス学者だった父が最後に残したメッセージは、研人を戸惑わせるだけのものだった。創薬科学を専攻する研人にも理解できない謎が・・・。一方、特殊部隊出身のジョナサン・イエーガーは、不治の病と闘う息子の治療費を稼ぐために、コンゴで任務を遂行しようとしていた。研人とイエーガー、まったく関係のないふたりの間には、驚くべき事実が横たわっていた!!

「何というスケールの大きな作品なのだ!」読み終わった直後にそうつぶやかずにはいられなかった。日本、コンゴ、そしてアメリカ。物語の舞台は果てしなく広い。罠にはまり追われる身となりながらも、父の遺言に従い新薬を完成しようとする研人。その新薬とつながることになる、コンゴで命を懸けて闘うイエーガー。物語は拡散する。どんどん、どんどん拡散する。いったい作者はどう収束させるつもりなのか、まったく検討がつかないまま読み進めた。危機が波のように、次から次へと押し寄せる。そして、意外な登場人物が!!彼は本当に人類の敵なのか?それとも、堕落した人類を救う救世主なのか?その答えは誰にも分からないのだ。
思わず目をそむけたくなるような残酷な描写もあった。何かを成すためには何かを犠牲にしなくてはならない。そのことをいやというほど思い知らされた。だが、息子が父を思う心、そして父が息子を思う心など、胸を打つ描写もあった。「これから人類はいったいどうなっていくのだろうか?。」遥か遠い先の人類の未来に想いをはせながら、深い感動を抱いたまま読み終えた。長いけれど一気読み!!面白い作品だった。

ゆこりん : 17:18 | 作者別・・た他