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2011年6月24日

麒麟の翼(東野圭吾)


ナイフが胸に突き刺さった状態で、日本橋まで男は歩いた。日本橋の麒麟の台座にもたれかかって死んだ男には、いったいどんな事情があったのか?ひとりの男の死の陰に潜む真実を、加賀恭一郎は追い求める。

自宅からも勤務先からも遠い場所で、男は息絶えた。なぜ男はそんな場所に行ったのか?加賀の地道で丹念な捜査が始まる。そして、普通の人なら見過ごしてしまうようなささいな出来事の中に、意外な事実を発見する。小さな真実の積み重ねが、大きな真実を浮かび上がらせていく。ミステリーの面白さもさることながら、父が息子を思う気持ちに強く心打たれた。設定には多少疑問を感じる部分や不自然さを感じる部分もあったが、全体的にはよくまとまっていると思う。本の帯に「加賀シリーズ最高傑作」と書かれているが、読む人によってかなり評価が分かれるのではないだろうか。私個人としては、そこまでだとは思わなかったが・・・。

ゆこりん : 19:17 | 作者別・・ひがしのけいご