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2011年6月 8日

かばん屋の相続(池井戸潤)


「松田かばん」の社長が急逝した。社長の遺言には、会社の株すべてを長男に譲るとあった。だが、会社の手伝いをしていたのは次男だった・・・。亡くなる直前に書かれた遺言状に隠された秘密とは?表題作「かばん屋の相続」を含む6編を収録。

表題作「かばん屋の相続」は、社長である父の想いを深く感じさせる話だった。兄弟の確執は、老舗のかばん屋を存続の危機に陥らせてしまう。「いったい会社はどうなるのか?」ハラハラしながら読んだが、ラストは満足できるものだった。ほかにも、会社倒産にまつわる話「十年目のクリスマス」や、融資問題を扱った「セールス・トーク」など、作者ならではの知識の深さが光る作品が収められている。銀行と会社との関係の裏の部分という、普段なかなか知ることのできない部分も描かれていて、興味深く読んだ。読み応えのある短編集だと思う。

ゆこりん : 19:37 | コメント (2) | 作者別・・いけいどじゅん


コメント

池井戸さんのこういう文庫が出ていたのを知りませんでした。面白そうですね。読んでみたいです。

投稿者 hiromi : 2011年6月 9日 21:16

>hiromiさん
ごぶさたしていますm(。_。;))m ペコ…
もと銀行マンの池井戸さんならではの作品だと
思います♪内部に詳しい・・・(^^;
ぜひ読んでみてください(o^∇^o)ノ

投稿者 ゆこりん : 2011年6月10日 16:43