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2011年4月 8日

PRIDE(石田衣良)


マコトを訪ねてきたリンが語る暴行事件の話は衝撃的だった。事件から立ち直り、強く生きていく決心をしたリンに惹かれていくマコト・・・。だが、再び魔の手がリンに迫る!マコトはリンを救えるのか?表題作「PRIDE」を含む4編を収録。IWGP(池袋ウエストゲートパーク)シリーズ10。

プライドって、なんだろう?
マコトがそうつぶやいているが、私も同じ疑問を持った。それは、その人自身が何ものにもつぶされることなく輝き、そして生き続けるエネルギーの源なのか?「PRIDE」に出てくるリンの持つプライドは、まさにそういうものだ。どんなにつらいことがあっても、立ち上がり歩き出す。彼女の強さを支えているのがプライドなのだ。そんな彼女に、マコトは好意を抱く。二人のこれからがとても気になる。そのほかの3編、データを盗まれたエリートの男を描く「データBOXの蜘蛛」、弟にケガを負わせた犯人を探す姉を描いた「鬼子母神ランダウン」、30歳を過ぎてもなおアイドルでい続けようとする女性を描いた「北口アイドル・アンダーグラウンド」もよかった。特に「鬼子母神ランダウン」では、タカシの意外な一面を知ることができ興味深かった。マコトやタカシは、このシリーズの中で確実に年を重ねている。彼らの今後がどうなるのか・・・。次回作を楽しみに待ちたい。

ゆこりん : 15:49 | 作者別・・いしだいら