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2011年1月24日
下町ロケット(池井戸潤)
大手企業から取引終了を告げられ、資金繰りに苦労している佃製作所に魔の手が伸びる。ナカシマ工業から、特許侵害で訴えられたのだ。会社存続の危機!次々に起こる困難に、佃航平はどう立ち向かっていくのか?
吹けば飛ぶような町工場。父親の跡を継ぎ社長に就任した航平に、次々に試練が襲いかかる。大手企業からの取引終了宣言、銀行の貸し渋り、特許侵害訴訟・・・。八方塞がりの中、航平はおのれの信念を曲げることなく貫いていく。どんな状況の中でも、どんな困難に陥っても、夢をあきらめることなく追い続ければ、いつか夢は叶う。この作品からは、そういう作者の思いがひしひしと伝わってくる。「こんなにうまくことが運んでいいのか?」そういう疑問もあったが、あきらめないことの大切さを教えられ、努力の先に待っている素晴らしい感動を存分に味わうことができたので、満足だ。読後もさわやかで、心に余韻が残る面白い作品だった。
ゆこりん : 16:33 | 作者別・・いけいどじゅん