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2011年1月20日

シアター!(有川浩)


弟・巧が主宰する劇団「シアターフラッグ」は、お金がなく経営危機に陥っていた。兄の司は、泣きついてきた巧に条件付きでお金を貸す。それは、「貸した300万を2年間で返せないのなら、劇団を解散すること。」という厳しいものだった。はたして、「シアターフラッグ」は立ち直れるのか?

夢や理想を追い続ける巧。超現実主義の司。そんなふたりの狭間で、いったい劇団はどうなってしまうのか?お金を貸した司は、劇団を解散した方が巧のためになると考えている。だが、いつしか「シアターフラッグ」の一員になってしまっている自分に気づく・・・。小劇団の内面を分かりやすくていねいに描写していて、面白かった。普段自分が知らない世界を垣間見るのは、楽しい。小さい劇団には小さい劇団の良さがある。しかし、厳しい面も多々ある。理想と運営のバランスを保つのは、かなり大変なことだと思う。けれど、夢を追い続ける巧たち劇団員の表情は明るい。心の底から打ち込める何かを持っている人を、うらやましいとも思う。さて、「シアターフラッグ」の行く末は・・・?司・巧、最強のコンビがいれば、大丈夫!・・・かな?
さわやかな印象の作品だった。

ゆこりん : 20:05 | 作者別・・ありかわひろ