« 聖夜の贈り物(百田尚樹) | メイン | 天空の蜂(東野圭吾) »

2010年9月22日

プラチナデータ(東野圭吾)


犯行現場の遺留品から検出されたDNAで犯人が分かる・・・。科学的な捜査の進歩がめざましい中、システム開発者が殺害された。現場に残された犯人の毛髪を調べた警察庁特殊解析研究所の神楽は愕然とする。神楽が犯人だという解析結果が出たのだ!捜査の手が伸びる中、神楽は真相をつかむことができるのか?

DNAという最先端の科学技術をテーマにしたのは、とても興味深い。神楽のDNAがなぜ犯行現場の遺留品から検出されたのか?出だしはとても惹きつけられた。けれど、途中で犯人が何となく分かってしまい、「スズラン」という謎の女性の正体にも気づいてしまった。途中で気づいてしまうような構成や描写にはちょっと不満を感じた。また、この作品のタイトルの持つ意味と、神楽自身が抱える問題はアンバランスではないのか?そもそも、神楽をこういう人物設定にしてしまったことに対し、疑問を感じる。サラリと軽い感じで読みやすく、全体的にはまあまあ楽しめる作品に仕上がっているとは思うが・・・。

ゆこりん : 19:30 | 作者別・・ひがしのけいご