« ゆんでめて(畠中恵) | メイン | プラチナデータ(東野圭吾) »

2010年9月18日

聖夜の贈り物(百田尚樹)


会社を首になりお金もなくなった恵子。彼女は自分の窮状も顧みず、クリスマスイブの日に初老のホームレスに食べ物とお金を渡した。そのホームレスは、願いを書くと3回まで願いがかなうという不思議な鉛筆を恵子に手渡す。はたして、本当に願いはかなうのか?「魔法の万年筆」を含む5編を収録。

どの話もクリスマスイブの日に起こる奇跡を描いている。不思議な鉛筆がもたらす奇跡。猫が運んできた奇跡。クリスマスケーキが起こす奇跡。タクシーの中で起こる奇跡。そして、サンタクロースの奇跡。どの話もとてもいい話だ。読んでいて心がほのぼのとしてくる。また、涙ぐみそうになる心を打つ話もある。「一生懸命生きていれば、必ずステキなできごとにめぐり会う。だから、決して生きることをあきらめてはいけない。」そんな思いにもさせてくれる。「聖夜の贈り物」という宝石箱に入った五つのきらめく宝石たち。読む人すべてに、必ず感動を与えてくれる作品だと思う。

ゆこりん : 15:17 | 作者別・・ひゃくたなおき