« ニサッタ、ニサッタ(乃南アサ) | メイン | 我、言挙げす(宇江佐真理) »

2010年7月18日

風の中のマリア(百田尚樹)


オオスズメバチのマリアは狩りがうまく、皆から「疾風のマリア」と呼ばれていた。30日間という寿命の中、彼女は女王アストリッドのために激しく命を燃やし続ける・・・。オオスズメバチの生態を独特の視線で描いた、異色の作品。

今までに、動物の生態を描いた作品はけっこう読んでいる。だが、擬人化し、壮大なドラマにした作品を読んだのは初めてかもしれない。オオスズメバチの世界は、メスだけの世界だ。そのメスたちが、同種族との壮絶な闘いや、命をかけての狩りに挑む。未帰巣は「死」を意味する過酷な世界だが、読んでいてワクワクする。また、巣の中での子育ての様子も読み応えがあった。。外の世界の喧騒とは対照的に、静かな命の営みが続く。克明に描かれている生態は実に興味深く、物語の世界へとぐいぐい引き込まれていく。獲物を狩り、せっせと肉団子を作り、幼虫を育てていく行為の裏側には、こんな面白さがあったのか!そして、生き抜くということはこれほど厳しいものなのか!読んでいて圧倒される。
大人だけではなく、子供にも読んでほしい作品だと思う。

ゆこりん : 15:37 | コメント (2) | 作者別・・ひゃくたなおき


コメント

私も去年、面白く読みました。
蜂が主人公の蜂の世界のドラマなのに、めくるめくような展開に圧倒されました。
蜂って、あの巣を作る事からしても神秘的な生き物でしたが、ゲノムでしたっけ?すごいですよね。
こういう小説を書いた百田さんも本当に素晴らしい。
最新刊は時代小説で、これも読むのが楽しみです。

投稿者 hiromi : 2010年7月18日 22:06

>hiromiさん
( ^-^)ノ(* ^-^)ノこんばんわぁ♪
本当に、スゴイ!としか言いようのない
作品でした。
百田さんの作品は「永遠の0」とこの作品
2つしか読んでいませんが、すっかりファンに
なりました。
「モンスター」も手元にあるので読んでみます♪

投稿者 ゆこりん : 2010年7月19日 22:20