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2010年6月17日

真実の絆(北川歩実)


「余命いくばくもない資産家が自分の子供を捜している。」
数百億と言われる資産にさまざまな男たち女たちが群がった。巧妙に親子関係を作りあげようとする者。DNA鑑定をしようとする者。あくまでも真実を追究しようとする者。いろいろな思惑が入り乱れる中、ついに殺人事件が起こる。資産の行方は?驚愕の結末が待っていた・・・。

裏表紙に書かれたあらすじに惹かれ読んでみることにしたが、内容はとても分かりづらかった。ストーリー構成や展開の仕方、登場人物ひとりひとりの位置づけやそれぞれの心理描写、どれも読み手を満足させるまでに到っていない。内容の複雑さをきちんと表現できていないので、読めば読むほど混乱する。ラストも「それなりの驚愕」という程度だった。発想のユニークさに筆力が追いつかない・・そんな印象も受ける。読者を置き去りにした自己満足型という感じで、不満が残る作品だった。

ゆこりん : 16:37 | 作者別・・き他