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2010年6月 7日

笑う警官(佐々木譲)


札幌市内のアパートで、現職警察官の女性が殺された。容疑者として浮かび上がったのは、やはり現職警察官の津久井だった。やがて、彼に対し射殺命令が出てしまう。かつて津久井と組んで仕事をしたことがある佐伯警部補は、捜査からはずされたにもかかわらず、彼の潔白を信じ、仲間とともに独自の捜査を始める。佐伯がたどりついた真実とは・・・?

警察内部の不祥事を暴かれるのを恐れた上層部は、津久井という危険分子を「抹殺」しようとする。津久井の身の潔白を証明し、彼を無事にある場所まで送り届けなければならない。しかも、タイムリミットは24時間。捜査をはずされた佐伯を中心に、津久井の無実を信じる者たちが集まってくる。限られた時間の中で、彼らは真実にたどり着けるのか?厳重な捜査網をどうかいくぐっていくのか?津久井の運命は?スリリングな展開が、面白かった。また、警察内部の描写もとても興味深い。ラストも無難にまとまっていて、楽しめる作品だと思う。

ゆこりん : 17:40 | 作者別・・さ他