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2010年1月20日

ブルータスの心臓(東野圭吾)


「自分は選ばれた人間だ。」そう思い、エリートそして人生の勝利者になることを疑わなかった末永拓也だが、恋人康子から妊娠を告げられる。だが、彼にはオーナーの末娘の星子との縁談が・・・。同じように康子に弱みを握られた者はほかにもいた。拓也たち3人は康子殺害の計画を立て、実行に移した。殺人リレーは成功するかに見えたのだが・・・。

最初は星子の腹違いの兄の直樹から殺人計画を打ち明けられた。拓也、そして同僚の橋本との3人で完全犯罪をもくろむ。だが、事態は思わぬ方向に・・・。意外な展開に、読んでいて思わず「おっ!」と言ってしまった。この3人の計画に、ほかに絡んでいる者がいる。それはいったい誰か?その謎は最後まで解けない。そこのところが読み手をぐいぐい引きつける。殺人の計画もユニークだ。はたしてそれが成功するのか?警察の裏をかくことができるのか?意外な成り行きになったとは言え、そこのところも興味津々だった。ずっと面白いと思いながら読み進めた。そして、ラスト・・・。かなりの期待を持ったのだが、私としてはどうもいまいちな感じがした。読み終わっても、「それで、どうなの?」と突っ込みを入れたくなる。あまりすっきりとした終わり方ではない。それがちょっと残念だった。

ゆこりん : 16:02 | 作者別・・ひがしのけいご