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2009年12月18日

太陽の坐る場所(辻村深月)


毎年開かれるクラス会。今まで一度も出席することのなかった「キョウコ」。女優になった彼女を何とか呼び出そうと、かつてのクラスメートたちは画策する。高校卒業から10年。28歳になった彼らは、高校時代のほろ苦いできごとを思い出していた・・・。

時には、人を傷つけてしまうようなことを平気でやってしまう残酷さを持つことがある。学校生活は、決して楽しいことばかりではない。月日がたったとき、つらかったことや苦しかったことも、懐かしい思い出にすることができるのか?この作品に登場する人たちの胸に去来するさまざまな思い。「キョウコ」との関わり。大人になった彼らが直面する問題。それらを作者はていねいに描写しているつもりなのだろうが、理屈っぽくくどさを感じる。すんなりと入ってこない。それどころか、読めば読むほどイライラが募っていく。話の組み立て方や展開の仕方がいまいちだ。「トリック」もありふれたもので、それが分かったときも「なるほど!」とは思わなかった。意外性のないトリックほどつまらないものはない。この作品の中で作者が言いたかったのは何か?分からない・・・。作者の自己陶酔型の作品といった印象だった。

ゆこりん : 18:21 | 作者別・・つじむらみづき