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2009年12月 1日

ネバーランド(恩田陸)


冬休み、それぞれの事情から学校の寮松籟館に残ることになった美国(よしくに)、光浩、寛司。そして、松籟館に出入りする通学組の統(おさむ)。たった4人で過ごす松籟館でのできごとを、あざやかに、そして瑞々しく描いた作品。

読んでいて萩尾望都さんの漫画を思い出してしまった。あとがきの中で作者が、萩尾望都さんの作品「トーマの心臓」を意識していたことを知り納得♪
置かれている立場や抱えている事情、そして性格もまったく違う4人。そんな4人の、誰もいない寮での生活が生き生きと描かれていて、読んでいて楽しく、そしてワクワクさせられた。統の話は、どこまでが真実でどこまでが嘘か?美国が見たものの正体は?読みながら真剣に考えてしまった。また、光浩の悲惨な生い立ちには驚かされた。ここまで重い過去を背負わせなくてもよかったのでは・・・。ともあれ、4人の寮での生活は、それぞれに素晴らしい思い出を残した。こんなにステキな思い出を持っている4人がうらやましい。読後、さわやかな印象を残す作品だった。

ゆこりん : 19:47 | コメント (2) | 作者別・・おんだりく


コメント

こんばんわ。
この作品は、恩田さんファンになったきっかけの本です♪
もともとドラマ化されるって事で読んだのですが、この作品が本当に面白くて、ドラマを見て何でこうなるの!?と思った記憶が^^;
この作品を読んだ後「トーマの心臓」を読みました。
納得でしたね~^^
想像していたよりもとても思い作品で驚きました。
光宏の生い立ちが1番衝撃でしたね。
1番好きな感じだったので。
最後はみんな前向きになれてよかったなと思います。

投稿者 苗坊 : 2009年12月 2日 21:48

>苗坊さん
こんにちは~(^○^)
ドラマは見なかったです(^^;
見ればよかったかな?
自分の高校時代をちょっぴり思い出しました。
こんなステキな経験がなかったのが残念です。
ホント、読後さわやか♪でした~(o^∇^o)

投稿者 ゆこりん : 2009年12月 3日 17:37