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2009年11月13日

ドラゴン・ティアーズ(石田衣良)


ひとりの少女の失踪が、250人の研修生の強制国外退去という最悪の事態を招くかもしれない。タイムリミットは1週間。少女の捜索に乗り出したマコトだが、中国の貧しい農民の衝撃的な実態を知ることになる・・・。表題作「ドラゴン・ティアーズ」を含む4編を収録。IWGPシリーズ9。

貧しい者、弱い者はいつだって虐げられている。中には、底辺からはい上がることなんて不可能だとあきらめてしまった者さえいる。この作品に登場するそんな人たちに救いの手を差しのべるマコトやGボーイズのメンバーたち・・・。
懸命に生きている女性を食いものにするヤツ、ホームレスたちの弱みに付け込み自分の利益を貪ろうとするヤツ、中国から働きに来た貧しい者たちを利用しようとするヤツ・・・などなど。そんな悪いヤツに制裁を加えるマコトたちは、まさに「池袋の正義の味方」だ。読んでいてやりきれない思いを味わう描写もあるけれど、どこかで救いがあることに安堵する。その一方で、マコトの母の行動力にはとても驚かされた。さすが!マコトの母!!
今回も期待通りの面白さだった。次回作を期待したい。

ゆこりん : 17:13 | コメント (2) | 作者別・・いしだいら


コメント

ゆこりんさん☆こんばんは
外国人労働者に関する法律が余りにもいいかげんだし、だからこそそこに人を送り込もうとする組織もあるし、こういう傾向はこれからも続きそうです。
マコトの母親はスゴイ解決策を出してきましたね。
この母にしてこの子ありなのかなぁ!

投稿者 Roko : 2009年11月15日 21:27

>Rokoさん
こんにちは。
実際にもこういうことがあるんでしょうね・・・。
悲しいというか怖ろしいというか。
マコトの母親には本当に驚かされました。
「この母にしてこの子あり」
まさにその通りだと思います(*^^)

投稿者 ゆこりん : 2009年11月16日 14:18