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2009年7月23日

ぼくのメジャースプーン(辻村深月)


学校で起こった事件はあまりにむごたらしく、「ぼく」の大切な友だちのふみちゃんの心を閉ざしてしまった。事件を起こした市川雄太に対し、「ぼく」は自分の持つ不思議な力を使うことを決意する。チャンスは一度だけ。はたしてその結末は?

ふみちゃんの心を閉ざし笑顔を奪ったのに反省のかけらもない市川雄太に対し、幼なじみの「ぼく」は自分の持つ不思議な力を使おうとする。ある一定の条件のもとで口から出した言葉は、相手の心を縛る。何をどう言葉にするのか?彼と秋山先生の間で議論がかわされる。もちろん、こんなことをしてもふみちゃんの心はもとには戻らないのだが。そのむなしさを抱えたまま彼は市川雄太への言葉を捜し求める。反省してもらうために。二度とこんな事件を起こさせないために。
一度口から出してしまった言葉は取り消せない。それだけに、相手に使う言葉は慎重に決めなければならない。秋山先生と主人公との間でかわされる会話は、とても興味深かった。ラストは、「あっ!」という驚きがあった。だが、それだけ決意が大きく深かったのだと思うと、心に迫るものがあった。「いつの日か、ふみちゃんに以前のような笑顔が戻りますように。」そう願わずにはいられない。

ゆこりん : 21:55 | コメント (2) | 作者別・・つじむらみづき


コメント

こんばんわ♪

この作品、大好きです!
秋山先生と主人公との間でかわされる会話は
読んでいてすごく胸にズシーンときて
いろいろ考えさせられました。
ホント素敵な物語だと思います(へへ)

投稿者 かなめ : 2009年7月26日 20:36

>かなめさん
(^コ^)(^ン^)(^ニ^)(^チ^)(^ワ^)
私も、秋山先生との会話はいろいろ
考えさせられることが多かったです。
面白い作品でした(^◇^)
この作品を読んだあとで「名前探しの放課後」を
読むといいそうです。読んでみたいと思ってます♪

投稿者 ゆこりん : 2009年7月28日 14:38