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2009年7月22日
陽炎の男(池波正太郎)

入浴中の三冬を襲う浪人たち。たじろぎもせずに全裸で迎え撃つ三冬。浪人たちの狙いがこの家に隠されている300両だと知り、秋山大治郎に力を借りることにしたのだが・・・。表題作「陽炎の男」を含む7編を収録。「剣客商売」シリーズ3。
この作品では、表題作「陽炎の男」で三冬が大治郎に心を惹かれていく様子が描かれている。大治郎は三冬の気持ちをどう受け止めるのか?今後の展開が楽しみだ。また、7編のうち印象に残ったのは「赤い富士」だ。秋山小兵衛が不二楼の亭主与兵衛が持っている赤い富士の絵を気に入るのだが、与兵衛はどうしても手放さない。だが、思わぬ成り行きから小兵衛は手に入れることになる。そのいきさつが面白い。完璧な人などいない。人には何かしら弱点がある。そのことが興味深く描かれていた。シリーズが進むにつれ、登場人物たちも成長していく。時の流れを感じながら読むのは楽しかった。このシリーズはまだまだ続くが、全てを読もうと思っている。それだけ魅力がある作品だ。
ゆこりん : 18:31 | 作者別・・いけなみしょうたろう