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2009年7月 3日

マイナス・ゼロ(広瀬正)


1945年(昭和20年)の東京大空襲の日、少年だった浜田は隣に住む先生から死の直前に奇妙なことを頼まれる。「18年後の今日、ここに来てほしい。」彼はその約束を果たしに、18年後再びその場所を訪れる。そこで浜田が目にしたものは・・・。

先生との約束を果たすため、18年後に再びその場所を訪れた浜田。彼が目にしたのは、空襲の日に行方不明となった伊沢啓子を乗せたタイムマシンだった。ここから彼の奇妙な体験が始まる。彼自身がタイムマシンに乗り込んで過去に行ったのはいいけれど、さまざまなアクシデントが・・・。
タイムマシン物は映画やテレビドラマなどでいろいろ見たが、重要なのはやはり結末ではないかと思う。過去、現在、未来に起こるできごとをどう収束させるのか?それが作品の良し悪しを決めるポイントだと思う。この作品ではそれがきちっと描かれていた。バラバラのピースがラストで、あるべき場所にきちんとはめ込まれていく爽快感があった。作者の緻密な計算がうかがえる。それにしてもこの結末・・・。考えれば考えるほど頭が混乱してくる。だが、それもまた楽し♪

ゆこりん : 19:11 | コメント (2) | 作者別・・ひ他


コメント

ゆこりんさん☆こんばんは
SFとしてのストーリーよりも、わたしは昔の銀座の風景の方が気になってしょうがありませんでした。(*^_^*)
40年も前に書かれたものなのに、この作品にはちっとも古さを感じないんですよね。
これもタイムスリップしているからかしら?

投稿者 Roko : 2009年7月 4日 23:53

>Rokoさん
ヾ(@⌒ー⌒@)ノおはよう
確かに昔の風景の描写はよかったです♪
古さを感じさせないから、今でも読み継がれて
いるんですね(*^^)
これからも、多くの人に読まれるといいなぁ♪

投稿者 ゆこりん : 2009年7月 5日 08:44